ソフトウェア品質シンポジウム2014参加レポート③ 品質やメトリクスについて学んだよ
ソフトウェア品質シンポジウム2014に参加したレポートですが、この品質やメトリクスについて学んだ内容については、どこまでブログに書いてよいのかよく分からないし、本気で書いたら行数もすごいことになってしまう、という事で参加したセッションのダイジェストをお送り致します。
併設チュートリアル(9月10日)
新しいソフトウェアテスト ウォーターフォール•モデルからの決別
こちらのチュートリアルでは
- グーグルやSalesforceなどでテスト自動化が進められている事例の紹介
- テストもこれからどんどん変わって行く必要がある事
- TDD + 探索的テスト
が紹介されていました。
「コードカバレッジ100%を目標としてたくさん時間をかけてテストをするのではなく、顧客に価値を提供するのに80%で十分なら20%分上げるのに必要になる時間の短縮がアジリティとして価値になる」という説明の仕方が伝わりやすそうでいいなと思いました。
本会議1日目(9月10日)
基調講演1 ビジネスが変わる••• 品質が変わる
この基調講演には「今まで通りの品質だけでなく、これからはアジリティも品質として重要になる」というメッセージが込められていて、まさにシンポジウム全体を象徴する講演でした。また、「お堅いイメージの金融システムのトップがこういうメッセージを発する事がすごい」とのコメントを伺い、なるほど!と思いました。
セッションA1 一般発表(テスト)
僕も経験発表をさせて頂いたセッション。自分の発表については別途詳細を書きます。特徴的だったのは、4つの発表すべてが結合•システムテストを対象にしていたことです。これは、TDD is dead. Long live testing. に代表されるような最近のアジャイル系の潮流とも合致しているなぁと思いました。
また、"SQiP Best Presentation Award"を受賞した"システムテストにおけるテスト分析手法の提案" という発表では、アジャイルでシナリオテストと呼ばれているタイプのテストを網羅的に設計するのに有効かもしれない手法が提案されていました。
セッションA2 一般発表レビュー (レビュー)
レビューのセッションでは、なるほど、バックグラウンドとして「些細な欠陥のレビューに時間が割かれてしまう事で重要な欠陥を見逃す事」が問題としてあると言う事、そしてそれを防ぐための手法が提案されていました。どの手法も
- レビューで欠陥を見つけたらそれで終わり、ではなく、きちんとそれらの情報を分析して、次のレビューにつなげる
- レビュー観点の導出を工夫する事で重大な欠陥に集中出来るようにする
という考え方が根底にあるのかなと感じました。
SIG 何で協力してくれないの?!••• 新しい仕事の前に働きやすいチームを作ろう
SIGでは、テストやレビューから離れて、チームビルディングのテーマに参加してみました。"アイスブレイク"の方法が紹介された後、皆で実際にやってみるというスタイルでした。まぁ、なんといいますか、どんな組織の方もチームビルディングに苦労されているんだなあ、そんな感想を持ったSIGでした。
本会議2日目 (9月12日)
セッションE3 ソフトウェア品質保証部長の会からの情報発信
最近、テスト自動化、品質、アジャイルについて少し上の方の上長とどう話したら良いのかなと考える機会が多いので参加してみました。
そしてこのセッション枠は僕の中で一番賛否両論の多い枠でもありました。
賛否両論うずまく色んな意見や考え方に触れる事が大事という視点では、一番気づきの多い枠だったかもしれません。
よかった点は、既存のスキームの枠をこえた新しい品質についての考え方がいくつも示されていました。ここで示されていたスキームやフレーズを使えば、少し上の方の上長にも響くかもと感じました。
セッションD4 企画セッション レビューとテストは使い分けるべきか?
こちらのセッションについては
ソフトウェア品質シンポジウム2014参加レポート② レビューについて学んだよ - Test Automation
で詳細書きましたのでそちらをご覧下さい。
基調講演2 リスクマネジメントのための失敗学--再発防止と未然防止--
こちらのセッションは、内容、しゃべり、随所に入るボケなどすべてに圧倒されました。ホントにスゴかったです。このセッションを文字にしてブログで伝える事は不可能ですので、是非みなさん一般財団法人 日本科学技術連盟 − 失敗学と創造学セミナーに参加してみて下さい。
メッセージとしては、失敗を失敗として終わらせるのではなく、次の失敗をしないためにつなげる事が大事 というモノでした。
うーん、、、上の表現だとやっぱり、精神論とか教訓じみてて何か違うなぁ。もっとリアルで実践的なお話なんだよなぁ。
まとめ
3日間を通し「今までの品質をさらに改善、発展させる」お話と「新しい品質にチャレンジする」お話がたくさん詰まっていて、本当に学びの多いシンポジウムでした。
ソフトウェア品質シンポジウム2014参加レポート④となる次回レポートでは、いよいよ経験発表をした継続的システムテスト周りの話を書きます。