Test Automation

テスト自動化とか品質とか勉強会とかやってるエンジニア(Automation Architect)のブログです。

エンジニアが人事のちょっとしたカイゼンの話を見つけて世の中に送り出しちゃった話1/3

モチベーション

 先日DevOps Days Tokyoというイベントで「人事がDevOps研修を作っちゃった話〜恐れ知らずのブルドーザー改革〜」という内容で、人事の担当者と共同発表した。これは、DevOps研修を作るにあたって壁となるコンウェイの法則を乗り越えるため、様々な部署のたくさんのエンジニアをブルドーザーのように巻き込んだ、という人事視点のちょっとしたカイゼン物語エンジニアの技術コミュニティで発表したものだ。

www.slideshare.net

 このブログエントリーでは、この発表が作られるまでのエンジニア視点のアナザストーリーを書いてみようと思う。ここに書く話が、まだエンジニアコミュニティで発表したことがないけど迷っている人や、身の回りのちょっといい話をどうやって育てていこうか悩んでいる人にとって、次のステップに進むためのヒントになったらいいなと思う。

身の回りのちょっとしたカイゼン物語を見つける

人事の相方をエンジニアコミュニティでの発表に誘ったら

 今回、ノリノリで発表してくれた人事担当の相方だけど、エンジニアコミュニティでの発表を最初に誘った時は、実はものスゴく後ろ向きの反応だった。「私はエンジニアじゃなくて人事だし、私のやってることなんて大したことないからエンジニアに話してもつまらない」と。(←これ、JaSST' 18 TokaiやDevOps Daysでのブルドーザー発表を見た人にとっては信じられない話かもだけどもw)

スゴイ研究者や偉いエンジニアじゃなくたって…

 「エンジニアコミュニティの発表ってスゴイ研究者や偉いエンジニアがするもの」って漠然と思っている人って多いよね。たしかに、スゴいエンジニアの、例えば5年後のエンジニアリングに変革をもたらすような話は面白い。AIを活用することで既存のQAの形を劇的に変えるようなイノベーションの話なんかは、僕も大好きだ。

 でも、「自分はスゴイ研究者や偉いエンジニアじゃないから」って理由で、エンジニアコミュニティでの発表をためらう必要はない。世の中のエンジニアコミュニティが一歩でも前に進む内容なら、実績とか立場とか関係なくどんどん世の中に発信した方が、コミュニティにとっても自分にとっても価値が生まれる

現場のちょっとしたカイゼンの話は特に価値がある

 特に現場のちょっとしたカイゼンの話は、多くの人から共感を得られるし、聞いてくれた人に課題解決のヒントをもたらすことがある。僕の中では、この人事視点の物語がたくさんのエンジニアたちからの共感を得られるって確信があった。エンジニアと人事という立場や手法の違いはあれど、チームをよりよくするためのカイゼンをアジャイルに回していくっていう本質は同じだからだ。

 だから、発表することに対してあまり自信がなかった人事の相方を一生懸命説得した。「この人事視点の話をJaSSTで話すことで、アジャイルやテスト自動化で苦労してるたくさんのエンジニアたちが、自分たちのカイゼン活動を見つめ直して新しい解決のアプローチを考えるきっかけになる」って。そうしたら、「なんか騙されている気がするけど…w」と言いながら、一緒に発表することを承諾してくれた。

色んな現場に色んなちょっとしたカイゼンの話が埋もれている

 今回、僕は人事視点のちょっとしたカイゼンをたまたま見つけたのだけれども、色んな現場にまだまだたくさんのちょっとしたカイゼンが埋もれていると思う。それは、もしかしたらあなたのチームにあるかもしれないし、あなたの隣のチームにあるかもしれないし、今あなた自身がやっているカイゼンかもしれない。そういう「ちょっといい話」を見つけるのってすごく大事だと思う。「でもこれはそんな大した話じゃないし」なんて尻込みせず、「世の中のエンジニアリングがちょっとよくなるかも」と、そんなちょっとしたカイゼンの話がどんどんエンジニアコミュニティで公表されたらいいなあ。

 

次回に続く

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